詳細を聞くと、生徒の一人が大事なピアスを無くしたとかで先生に愚痴ったのを気にして探してやろうと思ったらしい。



なんてお人好しなんだこの人は。



生徒の愚痴なんていちいち気にしてたら、精神的にも体力的にもシンドイだろうに。


ま、それでもいちいち気にしてしまうのがこの人で、そんな人柄をみんなが好いてよってくるのも事実だ。



「どんな形でどんな色?」


「金色のハートのピアスだって言ってた。結構ちっちゃめだと思う…やっぱり、西野くんは探さな…」


「ピアス外すタイミングなんて体育のときくらいだろ。更衣室見た?」


「まだだけど……」


「更衣室いくぞ。」


「うん…西野くん、ありがとう。」




そのあと、更衣室に行ってセンセーは中、俺は更衣室周辺を探し回って、無事にピアスは見つかった。



見つけたときのセンセーの顔は衝撃的に可愛かったし、その顔を俺だけが見たという優越感がなんとも言えなかった。


明日枝並に自慢してやろう。




「西野くん!これ、手伝ってくれたお礼!!」



そう言って満面の笑みで手渡された飴とイチゴオレに、俺は盛大に頬を緩めた。


…明日枝並に自慢してやろう。




END