学校帰り、フラフラと買い物に出かけた先で懐かしい顔に遭遇しました。



「のぞみ先輩!!」

「…もう先輩はやめましょうよ彼方くんよ。」



高校で散々聞いた明るい声に振り向くと、そこには相も変わらぬフワッとした笑顔のワンコがいましたとさ。



もうシッポ振ってる幻覚が見えましたよ。キラキラした顔で寄ってくるのは、まるでご主人様のお帰りを待っていたワンコ。



「お久しぶりです!」


「確かにお久しいねぇ。年末に飲みに行ったきりかな?」


「そうですよ!のぞみ先輩全然誘ってくれないんですもん!」


「そりゃあコッチもバタバタしてましたしね。てか、彼方から誘ってくれたらいいじゃないの。」


「だってのぞみ先輩のこと誘うと凌斗さんに怒られるんですもん。俺の嫁たぶらかすなって。」



…なんですかその理由は。

あの人はあたしが知らないところで何を言いふらしているのやら…

他人経由で聞くのすごい恥ずかしいんですけど。


「と言うことで、のぞみ先輩が誘ってくださいよ!」


「まぁ、それはなんも問題ないんだけどさ。あ、あんた勉強の方はどうなのよ?今年の採用試験受けるんでしょ?」