激論の末正面からのネコさんを描くことに。
ネコさんなんて簡単だよ。
耳描いて目と鼻とヒゲがあればある程度ネコさんになるだろ。
猫好きなめるなよー!
「………はいよ!」
ものの一分もかからずに書き上げ、武藤くんに差し出す。
ちなみに、さっきとは別の課題のワークの隅っこにあたしの描いたネコさん正面バージョンがいる。
「………正直に言っていいか?」
「おう。望むところだ。」
「なんで直立不動なの?なんで無駄にリボンとかつけたの?なんで目と鼻と口とヒゲだけでこんな気持ち悪くなるの?逆にすげーよその絵心。」
「う、うっせーよ武藤くんのバーカ!そんなに言うなら武藤くんも描いて見てよ!ネコさん!もちろん上手くかけるんでしょうね?!」
人の絵を散々ボロクソ言いやがって!!
そんな言うほどひどくないわ!たぶん!
「…それ寄越せ。」
あたしの手からシャーペンを奪い取り、サラサラサラと書き上げる武藤くん。
ちなみに、書いている場所はやはりワークの隅っこだ。