「先生!」

「うぇ!会長くん!なぜここに!!」

「先生がこんな手紙くれるからじゃないですか!」


卒業式の朝。
いつもより少し早く学校にむかったあたしは、4人の下駄箱にあのラブレターを投函してきた。


そしてあたしの城である英語科準備室で一息ついていると、急に扉が開いて会長くんが顔を出した。


「…もう読んだのかい?」


「読みましたよ!」


「うわぁーなんか恥ずかしいなぁー!あ、感想とか本当にいらないからね!何も言わないでね!」



自分が心を込めて書いたお手紙を読まれ、さらにそれについて何か言われたらもう恥ずかしくて気絶しそう。

てか会長くん来るの早いな!



「オレ、先生に会えてよかったです。たぶん、先生に会ってなかったら今でも完璧なフリをして、猫かぶって生きてました。えっと、それで、…また、会いにきてもいいですか?」


「…ちゃんと手紙読んでないなぁ?いつだって私は君の味方だよ。いつでもおいで」



少し目を潤ませた会長くんが、しょぼーんとしてしまったので、わしわしと髪をかき混ぜてやる。


「うわ!今日答辞読まなきゃいけないんですよオレ!」


「直してやるから気にするな。送辞読みながら泣かないように、パワーを送ってやろう!」


「…そんなんされたら余計泣けるんですけど」


「ん?なんだって?」


「…っなんでもないです!オレ呼ばれてるんでもう行きますね!」



「うん。いってらっしゃい」