「凌斗さん。ラブレターを書こうと思うんだけどさ、どう書き出せばいいと思う?」


「……とりあえず、誰に何のために書くのかを俺が納得するように一から説明してくれないと、教えるかどうかさえ決められないよ」



卒業式を一週間後に控えたある夜。

凌斗さんの知恵を借りようと思ったらそんなことを言われた。


「なんでですか。ケチですか。」


「いやいやいや、旦那にラブレターの書き方聞くってどういうことなのさ!俺宛なの?!俺宛のお手紙の書き方を俺に聞いちゃったの?!」


「いくらあたしでもそんなアホなことしませんよ。巣立って行く生徒たちに宛てて書くんです」



あと一週間で卒業式。

みんなと顔を合わせられるのがあと一週間しかないと考えると、普段活動しない涙腺がここぞとばかりに活発化する。


この間、みんなからのありがとうをもらった。

だから今度はあたしがみんなに、ありがとうをあげるんだ。