「会長くん、何か用があったのかい?」


「いや、廊下を歩いてたらおっきい音がしたんで見に来ただけですよ…はい、取れました」


「ありがとうございました。用がなかったなら悪いことをしたね。今日もこれから勉強?」


「まぁ受験生なんで、サボるわけにもいかないですよ。」


「そうだよね。じゃあ頑張ってる会長くんには、先生からチョコレートのプレゼントをあげよう。ちょっと待ってね」



そう言って棚の中をゴソゴソし出した先生。

あそこには大量のお菓子が隠されてることをオレは知っている。



「どうわぁ!」


先生のなんとも騒がしい叫び声とともに、床に散らばるお菓子たち。



「…この部屋がいかにして散らかっていくのかを理解しました」


「やっぱり冷静だね!チョコは落ちてないから安心して!」



手に持っていたチョコレートをオレに握らせて、笑顔を見せる先生。



「片付けるの手伝いましょうか?」


「え、いや、そんなことに時間を割かせるわけにはいかないよ!このくらいなら自分でできるから大丈夫!ありがとう」



西野には手伝わせてることを知っているからか、ちょっともやっとしたが、ここで押しても先生を困らせるだけだと判断したオレは、おとなしく引き下がることにした。




「本当に困ったことがあったら、無茶しないで呼んでくださいね」



先生に頼られたいと思ったのは、のぞみ先生が初めてなんですから、大いに使ってくださいね。



END