「あー、確かにセンセーがいると、秋の寂しさも半減ですなぁ」
「騒がしいからって言うんじゃないでしょうね?」
「いやいや、いい意味でだよ?
センセーがいると、寂しく感じる間もなく楽しくて、時間もすぐ過ぎちゃう。オレら、あと3ヶ月しかここにいられないのに、このペースだとさらに短く感じちゃうねぇ。」
時間は平等に、狂いなく一日24時間なのはもちろん理解しているけど、体感速度は人それぞれ。
勉強中は恐ろしく時間が過ぎるのが遅いけど、センセーや和樹たちと戯れてる時間はあっという間。
残りの3ヶ月を勉強だけで過ごしたら、体感的には長く感じるのかも知れないけれど、それなら俺はセンセーたちとバカ言い合って、あっという間に過ぎる3ヶ月の方が嬉しい。
「なんだ、もしかしてさっきもそんなこと考えてしんみりしてたの?
卒業まであと3ヶ月だなーって?」
「…そうだよ。寂しいねーって」
「何その可愛いお悩み相談は。」
「かわいいって……」
「あのねーあなたたち?卒業まであと3ヶ月しかないとか思ってんでしょ?」