僕の親は、なぜかその辺が寛容だった。

二つ上の姉も、同じくゲーマーである。

今朝も、羨ましがって僕を見ていた。

僕は、電車の中で何回もバッグの中に入れた当選ハガキを確認した。

よし、ちゃんとある。

すると、電車のアナウンスが僕の耳に入ってくる。

腕時計の時間は、午後5時30分を回っていた。

あと、三十分ほどで、受付が始まる。

『次は、渋谷。渋谷です。お降りの方は、お忘れ物にご注意ください』

山手線で、渋谷へと到着すると、僕は早足に改札を抜けた。

最近できたばかりの多目的ビル「ヒカルエ」の出口へと赴く。

何を隠そう、テストプレイの会場は、ヒカルエの最上階であった。

僕は、品川住まいで、どちらかといえば電車は千葉方面を利用する。

そのため、あまり渋谷に行ったことはなかった。

何かの用事で通り過ぎるくらいだ。