「それなら話は早い。理亜、いくら効力がない札でも影がそれを手にすれば、少なからずダメージを与えることが出来る。
生徒の中で、最近体調を崩して休んだ者はいるか?」
「えっと…。」
私は必死に記憶を辿ってみる。
が、いくら思い出しても気になる生徒はいなかった。
「そうか。もしかしたら影は生徒の姿になっているかもしれない。オレも明日、注意してみる。
お前も気をつけろよ。」
私はコクン、と頷いた。
生徒の姿になっている。
少なからず傷ついている。
……!!
私の脳裏にある人物が浮かんだ。
お札を探す私に、落し物BOXを覗いてみたらと提案してきた生徒。
あの時、違和感を感じた。
何であんなに綺麗なのに、手は傷だらけなんだろうと…。
もしかすると、彼女の正体は…。
私の中で確信めいた予感がした。