私の不安をよそに、影に遭遇するわけでもなく、無事に家に着いた。
「ただいま~。」
玄関で靴を脱いでいると、何ともいい匂いが漂ってきた。匂いに刺激され、私の胃袋も声を上げる。
レオ、待っててくれたんだ。
この時間はいつも影を捜しに行くのに。
料理の匂いがするだけでレオが家にいることが分かる。
"ドキ……"
かすかに胸がときめいた。
きっと、ジンさんがあんなことを言ったからだ。
変に意識しちゃう。
「おかえり。」
リビングに行くと、何やら丸いプレートを広げて、それを熱心に見ているレオがいた。
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