「すいません、遅くなりました。」
私はジンさんにくたびれたお札を差し出した。
「何?もしかしてこのためにわざわざ来てくれたの?」
ジンさんは優しく私に笑いかけた。
「はい。あの時、ジンさんはいらないって言ってくれたけど、あった方が手間は省けるって言っていたので。」
「あはは、そっか~。わざわざありがとうね!
……っ!」
ジンさんはお札を受け取ると一瞬、目を見開いた。
でもすぐもとの表情に戻った。
何かあったのだろうか?
…それとも私の見間違いか…?
「ん~、…理亜ちゃん、これどこで見つけたの?」
お札を持ったままジンさんは言った。
「えっと…、校内で見つけましたけど…。」