手すりに背中を預けて、


そっとミュールに手を掛けた。


この夏のはじめに買ったワインレッドの、


ちょっと光沢が入ったもの。


踵が高いからか、


子供っぽいあたしに似合っていないからか


酷く疲れる。


それを脱ぐと、とても楽になった。