遠くで、太鼓や笛、それから、にぎやかな人の声が聞こえてくる。









足並みも軽やかに、私達は神社に向かった。

















「あ、ねぇ蒼岸君。
楠木サンって、知らない?」

「え?カヤ?
…まぁ、知ってるけど」

「どんな子か知ってる?
香奈子に、私がその子に似てるって言われたんだけど…」




「えぇ?
んー……似てないよ」

「そうなの?」

「うん。
あいつの方がよっぽど阿呆だ」


「…ふぅん?」



「あ、」

「え?」

「京介と九ノ月がいねぇ」

「あ…」






おかしくて、人込みの中私達は二人で笑った。






















<蝙蝠-END->