「どうしたの?湊くん」


「あのさあ、お前ら。俺のこと今完全に忘れてたよな?二人で夏祭りとかズルいっつーの。俺だって一緒に行かせろよ」



はあ?アンタも来んのかよ。

邪魔邪魔。つーか行くとか誰が言いましたか?自分、行く気なんてナッシングなのですが?


本音とは裏腹に、自分と栞は顔を見合わせてふふふと笑った。


あー……気持ち悪りぃ。



「あははっ、いいよ。湊くんも一緒に行こっか?いいよね、捺芽ちゃん」


「(どーぞどーぞ、ご勝手に。)

うんっ、湊くんと栞ちゃんとの夏祭り………すっごく楽しみだなぁ。退院出来るように頑張るねっ。

(阿呆か。誰がアンタらなんかのために。つーか夏祭りとかクソ面倒臭せぇ)」


「お、マジで?いやあ……蓮菊と一緒に夏祭り行けるなんてさ、なんか夢みてぇだな」


「ええ?そんな事ないよぅ。

(うっげぇ。何気持ち悪いこと言ってんだコイツ。病院行け、病院。……あ、ここか病院)」



毒舌ツッコミをしつつ(心中で)、ビバ☆笑顔で対応する自分。


あー、偉い偉い。


こんな自分の笑顔に騙されて【蓮菊 捺芽】を"女"だと思い込んでくれてるアンタら、


ほんっと最高だわ。