「!」



ブルッ

なぜか急に寒気が走り、体中に鳥肌がたった。


いきなり何なんだろうか?


そう思いながら、目の前にいる見舞い客へと視線を戻す。



「捺芽(なつめ)ちゃん、体の調子……大丈夫?」


「うんっ、大丈夫だよ。お見舞いありがとう」


「あったり前~。クラス全員がお前のこと心配してんだぜ?早く病気治して遊ぼうな」


「湊(みなと)くんも、ありがとう。ははっ、退院しても一緒に遊べるか分かんないよ?

自分、体弱いし運動オンチなんだもん」



今はもう慣れた女言葉に、仕草。


確か同じクラスメイトだった湊(みなと)くんが、わざわざこんな自分のために来てくれた。


わざわざ、カワリモノを見るために。



もう一人、湊と一緒に来てくれた女の子がいる。ツインテールが可愛い、こんな自分の友達。

名前は確か【栞】(しおり)。


こんな自分を、女の子と思い込んで友達宣言をしてきた奴。


こっちは友達だなんて思ってないのに勝手に友達だなんて言いふらしている。


はっきり言って、勘違い迷惑女。