たいして、広くも綺麗でもないマンションの一人住まい。 ポストを覗けば、山のようなチラシと一緒に手紙が一通入っていた。 裏の差出人を見なくても、それが自分を生んでくれた母親の字だとすぐに分る。 私は、それをバッグに入れ、疲れた足を自分の部屋がある三階へと引きずるように向ける。 古びたエレベーターの小さな箱は、ウーンと唸り声をあげ上っていく。 その小さな箱の壁に寄りかかり、自然とこぼれる溜息が一つ。 「疲れたな……」 誰にも聞かれることのない、弱音。