冷血男子がデレを出すまで



「はぁ‥。」

また零れるため息一つ。

あやめちゃんは、龍成を誘って帰れって言うんだよね。

真っ直ぐひとりで、青木家へと向かうのは失礼かもしれないし

一応龍成に"お願いします"位言わないといけないよね。


そう思い私は龍成を探し出した


____________が。



   い・な・い・!・!



もう帰っちゃったトカ????
嘘でしょうー‥。

とことん運の無い私に、嫌気がさす。



「あぁぁあっ!!憂紗ちゃんだ」
聞き覚えのある
その陽気な声は

「裕樹くん‥」


「どしたのー?なんかあった?」
俯く私に
心配そうな顔で近づく
裕樹くん。


「龍成‥見なかった?」


「龍成?あぁ、アイツなら‥って憂紗ちゃん龍成になんか用でもあるの?」

やはりその質問が来た
不自然なのは、充分承知
だって、私達は絶対に喋らない。
言わないといけないか‥





「裕樹、帰るぞ」