友達と喧嘩した時だって、頭の中ではこうやって謝ろうとか、いつこのタイミングで話しかけようなんて思ってるけど、それを考え過ぎた結果、結局タイミング逃して仲直りが出来ないとか。


欲しいものがあっても、買うか買わないかで散々悩んでる間に誰かに買われて手に入らないとか。


他にあげればきりがない程、あたしは後悔してきた。


それは自分でもわかってるんだ。


あたしが一番変えなきゃいけない部分だって。


わかってるけど、でも今回の吹部の件は今までとは違う。


やりたい気持ちはあるけど、吹けないんだもん……。


音が出ないのに、どうやって音楽やれっていうの?


野球部の応援にだって間に合わないし、間に合わないから、長谷川さんの気持ちにも答えられないし……。


「ほら、また考えてる」


グイっと草太に眉間を押され、体が少しのけ反る。


右手で自分の眉間をさすると、深いシワが何本か残っていた。


「決勝までは、まだ時間あるじゃん」


そうだけど……。