「傘、忘れてんぞ~!!」
草太に大声で言われ頬を膨らませながら振り返ると、水道にかけっぱなしにしていたブルーの水玉模様の傘を草太が持ち上げていた。
結局、いつものように草太と肩並べて帰ることに。
雨はやんだけど少し霧が出ていて、顔が程良く保湿される。
草太とは会話がなく、静かな帰路には水量の増した川の音だけが響いている。
青や紫で彩られるアジサイの葉には、カタツムリがのっそりと歩いていた。
吹部の件で気分が沈んで、陵雅さんと話せて気分が上がったけど、草太と口げんかして、また少し気分が沈んだ。
隣を歩く草太の機嫌をうかがおうと横目でチラリと見ると、草太は別に何も考えてない様子で普通に歩いていた。
「なぁ」
あたしは返事をする代わりに草太を見上げる。
「おまえのそのわかりやすい性格どうにかなんないの?」
「え!?」
思わず声が裏返る。



