キミの背中。~届け、ラスト一球~



「兄さん。俺はコイツと長い付き合いですけど、俺生まれてから一度も、コイツが告られてるとこ見たことないんすよ?」


人差し指を立てて、“一度も”を強調して言う草太。


草太め……。

後で覚えとけよ。


草太が得意げになって言うと、陵雅さんは野球部らしくない爽やかな笑顔で笑って首を横に振った。


「草太。おまえは新堂とあまりにも近くにいすぎて感覚が鈍ってんだよ」


「………」


「新堂、すごく可愛いじゃん」


陵雅さん!!

思わず胸の前で両手を組んで、うっとりしてしまった。


か、かわいいなんて、生まれて初めて言われたよ。


しかも、好きな人から可愛いって言われるなんて。


フフフ~幸せ~。


自分でも気持ち悪いと思いながらも、嬉しさのあまり体をクネクネとひねらせる。


そんなあたしの気持ち悪い仕草を見ても、陵雅さんは爽やかな笑顔をあたしに向けてくれた。


全身で引きながら目を細めて見ている草太とは大違いだ。


大好きです。陵雅さん。