「さぁて、帰るかな。腹減ったし」


草太は、力んで声を出しながら立ち上がった。


「今日、母さんいるから焼きうどん作れないからな」


あたしが何か言うと思ったのか、草太は目を細めて言う。


「今日はいらないよ。焼きうどんの気分じゃないもん」


笑って言うと、草太もフフンと笑う。


「あぁあ、部活ラストスパート頑張らないとな~」


グーッと伸びをした草太のわき腹を、あたしは人差し指で突っついた。