キミの背中。~届け、ラスト一球~



「ちょっと色々寄り道してたんだよ」


そう言いながら、草太の隣に腰掛ける。


草太はきっと、先に帰ったはずのあたしの部屋に明かりが付いていなかったから不思議に思ったんだと思う。


何も言わないけど、ここでわざわざ待っていたということは、そういうことじゃないかな。


「なんだ。凹んでんのかと思ったのに、案外そうでもないの?」


え?っと草太を見上げる。


「トランペットあんま吹けんかったんでしょ?1年半もやってないんだから」


ジワっと、目頭に涙が浮かんで慌てて唇を噛んだ。


核心をつかれて、一気に感情が乱れる。


「帰って行くおまえの顔、すげー顔してたからどっかで泣いてんのかと思ってさ」


ププっと草太が笑う。


「す、すげー顔ってどんな顔よっ!!失礼だし!!ってか泣いてないし凹んでもないし!!」


「いてっ!!」


ブロックに座りながら隣の草太の足を踏みつけると、草太は身を丸めて痛さに悶えた。