草太のエナメルバックの上には、あたしと草太の不器用なメッセージが風に揺れたいた。


『必勝!!がんばれ 野球バカ』

『すきだよ』


正反対の言葉だけど、その言葉の中には不器用な同じ想いが込められている。


ここから始まるね、草太。


あたし達は3年生。


部活の試合にしても、進路にしても、今まで以上に真剣にしなきゃいけない。


前にここでしたあの約束を叶える為に、必死で頑張ろうね。


あたしは、草太の野球に励む姿が好き。


授業中に堂々と居眠りをする背中が好き。


そして、黒のエナメルバックによく似合う、小麦色の肌が好き。


草太の好きなところを上げれば、キリがない。


もっともっと好きな所をプラスしていけたらいいな。


「好きだよ、草太」


「俺も」


あたし達は、夜空の下で、またキスを交わした。






―END―