「ちょ!草太!!」


ギューっと力が強くなる。


「ああもう。マジで好き」


耳元で聞こえる草太のかすれる声に、体が震える。


「何度こうやって抱きしめたいと思ったと思う?」


……草太。


「その度に自分抑えて平静を装って……」


「……草太、我慢してたの?」


あたしが聞くと、草太がゆっくり体を離してあたしの目を真っ直ぐに見た。


「おお、超我慢してた」


少し怒ってる口調。


「だから、これから責任とって、一生側にいろよ」


そう言った草太の顔が、徐々に近づいてくる。


街灯の光が遮られ、視界が暗くなる。


温かな草太の唇。


目を閉じて、触れ合う唇を感じる。


まだまだ寒さは残っていたけど、心だけはとても温かかった。


一度唇を離して、角度を変えてもう一度キス。


まだぎこちなさの残るあたし達のキスを、たくさんの星と、街灯が見守ってくれてる。