鼓動はあり得ない速さで動いていて、きっと体も震えてる。
あたしはゴクリとつばを飲み込んで、意を決した。
「好きだよ」
言った瞬間、草太の腕の力が増した。
苦しいくらいに、草太に抱きしめられる。
「よくできました」
ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド。
鼓動の音で耳鳴りがする。
草太と体を離し、真っ直ぐ見つめ合う。
緊張のせいなのか、泣きすぎたせいなのか、頬がけいれんして上手く笑えない。
草太はあたしの頬を優しく撫でると、また顔を近づけてきた。
クリスマスイブに起きた奇跡。
幼なじみから恋人に変わった瞬間。
ふたり一緒にいると、寒さなんて気にならなかった。
「好きだよ、希歩」
あたしは、草太とおでこをくっつけ頬笑みあう。
静かな空間で、結ばれた想い。