「泣いてんじゃん。俺が言ったのが重かった?」
あたしは激しく首を横に振る。
「違うの!そうじゃないの!」
大きな声を出すと、嗚咽で声がガラガラになる。
「あたし、こんなに草太と一緒にいるのに、一度も草太の気持ちに気づいたことがなかった」
「おまえ、鈍いからな」
草太があたしの涙を指で拭ってくれる。
「草太の気持ちも知らず、ずっと陵雅さんの話しをしてて……」
喉の奥がツンと痛くなって、しゃくり上げてしまう。
「でも、あたしも本当の自分の気持ちに気づいてなかったの?」
「本当の気持ち?」
あたしはコクンと頷く。
「あたし、ずっと好きな人は陵雅さんだと思ってたの」
あたしが言うと、草太は「なにそれ」と苦笑した。
「陵雅さん見てると落ちつくし、癒されるし、ドキドキするし」
草太が軽く笑う。
「でも、陵雅さんに対する感情を、いつからかわからないけど草太が越えたの!!」
「………」



