「希歩っ!!」
草太の声が、勢いよいく閉めたドアにピシャリと潰れる。
あたしは、悲しくなって泣きながら廊下を早歩きした。
みんなの態度にじゃない。
自分の心に嘘をついたことが悲しかったんだ。
みんなの前でバレるのが恥ずかしくてあんなこと言ったけど……。
本当は堂々と言いたいよ!!
草太が好きなんだって!!
だけど、言えるわけないじゃん!!
きっと草太は傷ついた。
恥ずかしさのあまりに叫んだ言葉で、あたしは草太を傷つけてしまった。
あたしは徐々に足の回転を早め走りながら階段を駆け上った。
屋上に続く階段。
屋上は立ち入り禁止だから、ここに来る人はいない。
誰にも見つからずに、みんなが帰るまで時間を潰したかった。



