「あ~、まだ場所は決めてないんだけど、40人くらい入れる場所って言ったら、カラオケくらいしか思いつかなくて。なんかいい案あるヤツいる~?」
クラスメイト達は目を見合わせて話しあった。
あたしも、机で一緒に昼食を食べていたミナと相談し合う。
あたしの前の席で友人とパンを食べている草太も、何かを話していた。
「カラオケっつってもな~、俺彼女にプレゼント用意してカネないんだよね~」
ひとりの男子が言うと、ドっと笑いが起こった。
「あ~でも、あたしもそうかも」
次々に、金欠の声が飛ぶ。
まぁ、あたしも言われてみればそうだ。
草太にあげるプレゼントも考えてたし、いくら安いカラオケだって言っても、お小遣いの少ないあたし達高校生には難しい。
「まぁ、だよな~」
提案をした男子が項垂れる。
「カラオケとかじゃなくて、ここですればいいんじゃないの?」
草太が言う。
「みんなカネないんだろ?だったら、ここでみんな少しずつカネ出し合ってお菓子でも買ってさ」
黒板の前にいる男子の表情に明るさが戻る。