文化祭終了後のクラスはどこか力が入らずダラダラしている。
楽しい行事も終わり、あとは冬休みを待つだけ。
こう時間に余裕を感じているのは、1年と2年だけだ。
陵雅さん達3年生は、迫りくる受験に血眼になっていた。
あたしは……。
前の席で寒さに身を縮める草太の背中を見る。
暑さよりも寒さに弱い草太は、ジャケットの下にパーカーを着ていて、背中が着膨れしていて何だか可愛い。
草太のこんな姿は毎年冬になれば見ているのに、今年の想いは特別だった。
時々寒さにブルっと身を震わせる所や、グレーのパーカーの袖口を引っ張り萌え袖になっている所に、心くすぐられる。
草太の背中を見ながら一日を過ごせるのって、こんなに幸せなことだったんだ。
こんな想いに気づくなんて、なんか不思議。
「注目~~!!」
冬休みまで残り5日となった日、ヒマを持て余していた男子が黒板の前で声を張った。
「このまま冬休みに入るのも何なんで、修了式の日にクリスマスパーティーをしたいと思うんですけど~」
男子の提案に、クラスがざわめき始める。
「パーティーってどこでするの?」
すぐに質問が飛ぶ。