キミの背中。~届け、ラスト一球~



みんなに強気なことを言ったけど、緊張で震えているのはあたしも同じだ。


「続きまして、吹奏楽部によるアンサンブル演奏です。
曲名は文明開化の鐘」


放送部のアナウンスと共に、ステージに出る。


照明が眩しい。


ステージ上より客席が暗い為、どのくらいの人が入っているのかはよく見えない。


8人で緩い弧を描くように並び、その真ん中に長谷川さんが立つ。


アンサンブルには指揮者がいない為、最初と最後に合図をする人が必要なんだ。


それを、部長の長谷川さんが勤める。


拍手が鳴り終わり、シーンと静まりかえる客席。


強い照明を浴びるあたし達は、またみんなで目を見合わせた。


その時、あたしは客席の一番後ろで応援してくれてる人達を発見した。


ミナに陵雅さんに、草太率いる野球部のみんな。


手作りの『一音入魂!がんばれ』と書かれた横断幕をみんなで持ち、ステージに向かって手を振ってくれてる。


みんな……。


あたしは泣きそうになるのを堪え、長谷川さんの合図に集中した。