キミの背中。~届け、ラスト一球~



音楽室で、最終のチューニングも済ませた。


少し音合わせをして、体育館に向かう。


黒いカーテンの閉め切られた体育館は、外から中の様子が見えないから更に不安になる。


あたし達は舞台袖に待機し、円陣を組んだ。


2つ前のバンド演奏が終わり、会場からはたくさんの拍手が聞こえてくる。


よかった。

お客さんは入ってるんだ。


バンド演奏を終えた男子達が、舞台袖に戻ってくる。


やりきった満足そうな表情に、あたし達の緊張感はピーク。


大丈夫。

あたし達ならやれる。


あたしは目を閉じて深呼吸した。


落ちついて、伸び伸びと自分たちの演奏をすればいい。


あたし達の前のダンスチームの持ち時間は5分。


13人の男子は、K-POPダンスを踊って観客を魅了していた。


5分ってなんて短いんだろう。


あっという間に次はあたし達の番だ。


緊張で震えている子もいる。


あたしはひとり一人の目を見て、『大丈夫』と語りかけた。


「練習通りにやれば、大丈夫。
あたし達の音楽、みんなに聴かせてやろう」