キミの背中。~届け、ラスト一球~



頭を動かすと、2匹の小さな魚があたしの頭上でユラユラ動いた。


「お~すげぇ賑わってるじゃん」


突然、入り口から聞こえてきた愛しい人の声。


あたしはパァっと表情を明るめ、走って陵雅さんの元に行った。


「いらっしゃいませ」


笑顔で深く頭を下げる。


「新堂!すごいなこのクラス」


陵雅さんはグルっと教室を見まわし笑った。


「動物だらけ」


クスクス笑った陵雅さんは、あたしの頭上で泳ぐ2匹の魚を指で突っついていた。


ユラユラ揺れる魚も、あたしの心みたいに喜んでいる。


「陵雅さん、何か飲んでいきません?あたしが作ってあげます」


「お!マジで?じゃあ、ちょっと寄って行こうかな」


「はい!そうして下さい!!
こっちの席にどー……」


テキパキと陵雅さんとその友人たちを誘導していたら、横から急にキリン草太が割り込んできて、あたしを腕で押しのけた。