「おまえ、ちゃんと作れるの?」


クラスメイトから真剣に飲み物の作り方を教えてもらってると、急に背後から声を掛けられあたしは勢いよく振り返る。


……は?


振り返ったそこには、キリンの着ぐるみを着た草太が立っていた。


あたしは思わず、プっと吹き出してしまう。


「草太……ククク……それ、なに……」


意外と可愛く着ぐるみ着こなす草太に、笑いが止まらない。


「笑うなって。俺だって何回も断ったんだから」


あたしがお腹を抱えて笑うと、草太は不機嫌そうにチっと舌打ちをする。


草太の顔がこんがりと日に焼けているからか、キリン柄にとても合っていて違和感がない。


「意外と似合うでしょ?湯野くん」


草太の後ろから現れたのは、カンガルーの着ぐるみを着たミナだ。


「わー!!ミナはカンガルーなの?可愛い!!」


「でしょ?あたしも似合ってるでしょ?」


ミナと手を取り合いキャキャっとはしゃぐ。


「希歩にも何か着てほしかったけど、急に吹部から召集かかったら着替えるの大変だと思って」