「おまえの分も、俺が働いたからいいんじゃね?」
草太が笑う。
「感謝してるよ、草太」
あたしが軽く言うと、草太は「うわっ!それぜってぇ思ってねぇ」と体をのけ反らせた。
「思ってるよ、マジで。草太のおかげで、あたしは部活に集中出来ました。ありがとう」
あたしは隣の草太に体を向け、深く頭を下げた。
草太が、チっと呆れ気味に笑う。
「明日、どうなの?ちゃんと吹けそう」
「なに?それが心配でここで待ってたの?」
「は?別に?」
草太がバキっと首の骨を鳴らす。
「心配しなくても大丈夫だよ。明日は必ず成功するから」
あたしが自信満々に言うと、草太は細かく頷いて「ふーん、そっか」と小さく言った。
わざわざそれを確認する為にここで待っててくれたなんて……。
トクントクントクン。
心が温かくなる。
俯きながら微笑むと、スッと、隣から手が伸びてきた。
その手には、お守りが握られている。
それも、明らかに手作りの。



