目の前にいたんじゃ、薄れるどころかどんどん濃くなっていくじゃんか。
「はぁ……」
あたしはまた豪快にため息をついて、グラウンドを見下ろした。
ストレッチを終えた3年生が、グラウンドを走りだす。
「あ……陵雅さん」
体育をしてた3年生は陵雅さんのクラスだったんだ。
走ってる姿もカッコイイなぁ。
毎日毎時間グラウンドに陵雅さんがいてくれたら、こうやって気が紛れて何も考えずに済むんだけどなぁ。
あたしがずっとグラウンドを見続けていると、今まで友達と話していた草太が静かになったので、チラリと前に目を向けた。
すると草太は、体をこちらに向け、ジーっとあたしを見ている。
「な……なに?」



