キミの背中。~届け、ラスト一球~



5時間目、席替えがあった。


順にくじを引いて行き、黒板に書かれた番号と座席を照らし合わせる。


元々窓側の席だったあたしは、また変わらず窓側で、ひとつ前に移動するだけだった。


クジ運はいい方だと思う。


好きな窓側の席から動くことはなかったから。


それに、ひとつ前に移動するだけとか楽でいいし。


あたしは、素早く机を移動させると頬杖をついてグラウンドを見下ろした。


グラウンドでは3年生が体育をしていて、ストレッチ中。


ガタガタと机が床にこすれる騒がしい音の中、あたしは大きくため息を吐いた。


「いい席なのにため息かよ」


ハっと顔を上げる。


あたしの目の前に、草太が座っていた。


「……え。草太の席、ここなの?」


あたしの小さな声が、机の音にまぎれる。


クールに頷く草太は、机をきちんと整え隣の席の男子と笑いながら話している。


クジ運、いい方なんかじゃなかった。


なんでこのタイミングで草太と席が近くなるんだよ……。


時間がたてば、『そいつ以外、考えられないから』っていう言葉も薄れていくと思ったのに……。