キミの背中。~届け、ラスト一球~



モヤモヤと心に広がる灰色の雲。


『湯野くん、モテるんだからね』


ミナの言葉がふと頭に浮かんだ。


本当だったんだ……。


本当に、モテるんだ。


草太が告白されていることにも驚いたけど、それ以上に草太に好きな人がいるって事が衝撃的だった。


『そいつ以外、考えられないから』


あそこまではっきり言うって事は、相当好きってこと?


草太が……?


ずっと野球一筋で、草太はあまり女子に興味がなく、『好き』とかそんな感情はないんだと思ってた。


あたしの勝手な妄想だ。


その人以外考えらないと思うくらい、本気で好きな人がいたんだ。


あたしは教室に戻ってもずっと頭がフリーズしたままで、授業なんて何一つ聞いてなかった。


きちんと教科書を開いていたかも危うい。


心にポカンと穴があいてる。


その穴から、次から次に、あたしのやる気が逃げていった。