草太が何かを言いかけたところで、ミナと男子が勢いよく走って戻ってきた。


あたし達はお互いに目を逸らし、ぎこちなくとみんなの方を振り返る。


「おまえら、元気だな」


呆れて笑う草太は、続きの言葉を言うことなく男子達と歩いて行ってしまった。


例えば……なに?


何を言おうとしたの?


あたしは、オレンジ色に染まる草太の背中の白シャツを眺めた。


草太のシャツが風にハタハタと靡く度に、あたしの鼓動も高鳴った。


『幼なじみ』


この言葉……確かに、邪魔かもしれない……。