早速館内に入ると、薄暗い中に水槽からもれる淡いブルーの光がとても幻想的だった。


「わぁー」と声を出しながら、ミナとグルっと一周見回す。


何メートル高さがあるのかわからない大きなガラスの向こう側に、ジンベイザメと小さな魚が泳いでいる。


ジンベイザメの下には、何尾か魚がくっついて泳いでいて、種類は違うのに何だか親子に見えておもしろかった。


ちょうど時間的に、動物の食事タイムらしく、カワウソのコーナーに行ったら可愛らしいカワウソが水の中を素早く泳いで飼育員さんの所に行き昼食を食べていた。


食べてる最中の顔は可愛いとは言い難いけど、きちんと誰が餌をくれるかわかっているらしく一生懸命「頂戴」とおねだりする姿が可愛くて仕方なかった。


次は、アザラシの食事だ。


今までずっと陸の上でゴロンと横になっていたアザラシが、餌が来た途端起き上がり飼育員さんの方へ泳いでいく。


「おい、あのアザラシ、なんかおまえに似てない?」


あたしの隣に来た草太が、ガラスの向こう側で必死になって餌を食べるアザラシを指差して笑った。


草太が隣に来ただけで、鼓動が高鳴って息苦しくなる。


「な、なに!?ぜ、全然似てないし」


緊張のあまり噛んでしまった。