キミの背中。~届け、ラスト一球~



「え?なに?そんなことがあったの?」


部屋に戻ってさっきの自販機のことをミナに話すと、寝る準備をしていたミナが目を輝かせた。


あたしは、布団の上で白い枕を抱き「うん」と頷く。


「しかもね、なんか、あたし変なんだよね。なんか、ここがすごく苦しくてさ」


胸辺りのTシャツをギュっと掴むと、更にミナがあたしに近づいてきた。


「え?なに?湯野くんの優しさに胸が苦しくなったの?」


キラキラキラ。


ミナが二重瞼を何度も瞬きさせ、もう完全に寝るタイミングを失った。


修学旅行の夜と言えば、やっぱりこういう話題になる。


「ん~、苦しいというか……いや、別に苦しくはないのかな?なんかこう、ギューってきて、草太の背中から目が離せなくなって……」


「希歩……」


この部屋にはあたし達ふたりしかいないのに、ミナは声を潜めた。


「それさ、完全に湯野くんのこと好きでしょ」


「えっ!?」