あたし新堂 希歩(シンドウ キホ)は毎朝、幼なじみの湯野 草太の自転車の後ろに乗り通学するのが当たり前になっている。
家から学校まで自転車で約20分。
家を少し離れた所から学校まで一直線に続く川沿いの道路は、舗装がキレイにされていなくてアスファルトがガタガタ。
あちらこちらに水たまりが出来ていて、そこに水たまりがあると気づいているはずなのに、草太は速度を落とすこともせず突っ込んだ。
お陰で、自転車の荷台に横向きに座ったあたしの足に水が命中。
湿気でイライラしてるのに、草太のこの行動にまたイライラ。
「ただでさえ湿気で気持ち悪いのに」
「だから、文句あるなら降りろっ!!」
キュっと、草太が急ブレーキをかける。
その反動で手に握っていたスマホが手から落下。