キミの背中。~届け、ラスト一球~



あたしはみんなの冷たい態度に目を細めてブスっと膨れる。


いいじゃん、別に修学旅行くらい浮かれたって。


あたしは唇を尖らせて左右に動かしふて腐れる。


大きなボストンバックを抱え、先生や他のクラスメイトの後について古い旅館の中に入った瞬間、木の湿った匂いがして何だか落ちついた。


ひとまず部屋に荷物を置いて、いよいよ、楽しみでしかたなかった自由行動だ。


財布、デジカメ、スマホ、お菓子。


必要な物を全部リュックに詰め込み、ミナと一緒に旅館の外に出る。


男子達は既に準備万端であたし達を待っていた。


あたしはミナの持つ地図を覗き込みながら、まずはどこから行くか考える。


「ねぇ、まずさ、街歩こうよ!街!!」


地図の中の中心街を指でさすと、みんなが頷いた。


あたしとミナが数歩先を歩き、その後を男子が付いてくる。


地図と現在地を照らし合わせながら歩き、アーケードの中のお店に急に立ち寄ったりする。


その度に、男子達はあたしとミナを見失わないように必死になっていた。