キミの背中。~届け、ラスト一球~



口を尖らせて、またコクンと頷く。


「それを一方的に、希歩が湯野くんをせめたわけ?」


「………」


あたしは、手に力が入らなくなってフォークをお弁当に預けた。


一方的……か。


言われてみればそうだ……。


ただのヤツ当たりだよね……。


草太があたしに話しかけてこないのは、あたしの態度に怒ってるから……?


きちんと理由も聞きもせず、だからと言って何の行動も起こさないあたしに怒ってるの?


「希歩」


「………」


「兄さん、本当に県外に行っちゃうんだよ?」


あたしは眉間に力を入れてミナを見る。


「湯野くんとの喧嘩、兄さんが原因なら、希歩がきちんと動くべきだと思う」


言いにくそうに最後まで言ったミナ。


あたしが傷ついたと思ったのか、遠慮がちにあたしから目を逸らしお弁当の中を箸で漁る。


ミナと言う通りだ。


草太とこのまま喧嘩を続けたって、陵雅さんが県外に行く日が近づいてくるだけだ。