キミの背中。~届け、ラスト一球~



目を丸め振り返ると、爽やかな笑顔の陵雅さんが私服姿で立っていた。


「りょ、りょ、陵雅さん!!」


驚きのあまり、言葉がどもってしまう。


別に変な雑誌を見ていたわけじゃないのに、何だか恥ずかしくなって慌てて雑誌を元に戻した。


「陵雅さん、どうしてここに?」


陵雅さんの家から、このコンビには距離があるはずなのに……。


「ああ、暑い中部活を頑張ってるヤツらに差し入れをしようと思って」


そう言って、陵雅さんは両手に抱える袋を軽く持ち上げた。


何種類かのアイスが入っている。


「あ、今から行くんですか?」


「うん。そろそろ休憩挟む時間だと思うから」


さすが元キャプテン。ちゃんと把握してる。


「あたしも一緒に行ってもいいですか?」


「いいけど、何も用事ないの?」


「あ、全然ないです。超ヒマしてたところですから」


あたしは早口で言ってニヒヒと笑う。


「あ!あたしもアイス買ってきます。ちょっと待ってて下さい」


忙しい女だと思われるかもしれないけど、陵雅さんに会うと緊張してどうしてもセカセカしてしまうんだもん。