とても大きいのに、入道雲より小さい太陽を隠してくれないなんて。


少しでも太陽が隠れれば、アスファルトから上がる熱気もおさまるのに……。


あたしは行くつもりではなかったけど、あまりの暑さに近くにあったコンビニに逃げ込んでしまった。


自動ドアをくぐった瞬間、ヒンヤリした空気が足元に絡みつき、外とは全く別世界のように感じる。


あたしは自動ドアをくぐってすぐ左に曲がり、雑誌を立ち読みする。


お小遣いが少ないから買えなくてごめんなさいと、心の中で店員さんに謝り、封がされていない雑誌を手に取る。


夏の可愛い服がたくさん載っていて、水着の特集まで載ってた。


海かぁ。そういえば、海に行ったのは小学生の頃が最後だよね。


草太の家族とウチの家族と4人でよく行ってたけど、お互い成長するごとに、海に行く話しは自然となくなってしまってた。


さすがにビキニは着れないけど、あたしも可愛い水着を着てたまには海に行きたいなぁ……。


「ビキニ着るの?」


突然、背後から声を掛けられ、あたしは驚いて開いていた水着のページをパタンと閉じた。