何だかイライラしてきて、あたしは卵焼きにフォークをぶっさした。


丸ごと1個を口に入れ、口の端を上げながら卵焼きを噛み砕く。


またニヤニヤし出したミナが、ミニトマトのヘタを持ってトマトと口に入れながらあたしを見る。


「な、なに?」


気持ち悪いミナの表情に、あたしはグイっと体を引く。


「べっつにぃ~?
希歩がただ可愛いなぁと思ってさ~」


「は?可愛い?喧嘩売ってんの?」


どうしてこんなにイライラしているのかわからないけど、ミナにやつ当りをしてしまう。


生理前だっけ?


「希歩。これ食う?」


あたしがまたブスっと頬杖をついた時に、横からイライラの元に話しかけられ、不機嫌に草太を見上げた。


「うわ。ひでぇ顔。何怒ってんの?」


草太は口をへの字に曲げ、あたしの不細工な表情に首を振る。


両腕に、女子達からもらってのであろう、パンやジュースがたくさん抱えられていた。


「なんか貰ったんだけどさ、俺これ食いきれないから食わんかなと思って」


「別に賞味期限今日までってわけじゃないんだから、明日食べればいいじゃん。よかったね。これから食に困ることなさそうで」