キミの背中。~届け、ラスト一球~



ふと。あたし達の隣で応援していた男子生徒が叫んだ。


みんながチラホラと、彼の方を振り返る。


「まだ負けてないじゃん!!
試合はまだ終わってないんだから!!凹むにはまだ早いんじゃねーの!?」


彼の言葉に、一瞬周りがシンと静かになった。


みんな衝撃を受けたように目を丸める。


あたしも、みんなと同じだった。


ポカンと目を丸め、徐々に、体の芯から熱い物が湧き上がってきた。


そうだ。

そうだよ!!


何を凹んでんの?


まだ試合は終わってないのに。落ちこむにはまだ早すぎる!!


応援に来ていた全校生徒に力が戻り、あたし達は今まで以上の力を振り絞り応援を再開した。


応援団の力強い太鼓の音と、嗄れたガラガラの声が一層大きくなる。


正直、あたしの唇にも限界が来ていた。


だけど、諦めない。絶対に最後まで吹いてみせる。


野球部だって、諦めずにグングン攻めてるもん。


全力で吹くと、こめかみや首筋から汗が垂れてくる。


時々目に汗が入ってしみるけど、あたしは瞬きをして耐えた。


応援者全ての心がひとつになり、みんな顔を歪ませながら必死に声を張り上げている。