キミの背中。~届け、ラスト一球~



カキーーン!!!!


聞きたくない金属音が、あたしの耳を貫いた。


ハっと目を開けると、強い風に目が染みて涙が浮かんでくる。


瞬きをするとすぐに頬に涙が伝い、手で拭って宙を飛ぶボールを追う。


高々と打ち上げられたボールはグングン距離を伸ばし、そのままホームランスタンドに吸い込まれていった。


……嘘。

満塁、ホームラン。


『うわぁぁぁぁぁぁ!!』と、相手校から歓声が上がる。



一方、あたし達は放心状態だ。


ひとり、またひとりとホームベースに戻ってきて、ハイタッチをする。


一気に、4点も失った……。


3-4。


追い抜かれた……。


その後アウトが取れ、それ以上点数が入ることはなかったけれど、ここにきての逆転は結構こたえる。


もう、このあと楽器が吹ける程精神的に余裕はなかった。


力の抜けた体を立ち上がらせ、震える二の腕でトランペットを支える。


「まだ終わってないぞ~~!!」