カキーン。
バットの音が響き、あたしは口を押さえてボールを追う。
足の速いバッターは大股で一塁に進み、ボールをキャッチした部員が急いで一塁に投げたけど、もう遅かった。
相手校次のバッターがバッターボックスに立つ。
バットをブラブラと振ってからかまえ、陵雅さんを睨みつけているようだった。
陵雅さんは、キャッチャーのサインに頭を振り、何度目かのサインで頭を縦に振る。
一塁走者を横目で確認しながら、きれいなフォームでかまえた。
カキーン。
またボールが飛んでいく。
2塁ベースを超えたボールを必死に追いかけ投げ返そうとするも、ランナー2人は既にベースの上に立っていた。
ダメだ。
陵雅さんの表情が険しい。
疲れと焦りで、疲労がハンパないんだろう。
風が少し強くなってきた。
灰色の雲の流れが速い。
天気までもが不安を駆り立て、今すぐに下に降りて行きたくなる。
お願い!!あともう少しなの!!
がんばって!!
強く願った。



