キミの背中。~届け、ラスト一球~



7回まで来て、あたし達の学校は2-0で勝っていた。


あともう少し。


草太や陵雅さんの夢の甲子園が、もうそこに見えている。


あたしは、このスタンドから演奏を届ける事と、あとはもう祈ることしか出来なかった。


曇りだった空も、この試合に興奮しているのか、点数が入ってワっとスタンドが盛り上がった時に、太陽が少しだけ雲から顔を出した。


熱中症対策の為持ってきた水も、もう残りわずか。


8回裏。


銀海高校の攻撃。


ホームベースにはバッターをかまえる草太。


がんばれ。がんばれ!!


あたしはトランペット吹きながら強く願った。


相手校のピッチャーと、草太との睨みあい。


今、草太は集中してピッチャーの心を読んでいるはずだ。


ピッチャーがかまえ、草太もバットを持つ手に力を入れる。


あたしの音量も、自然と大きくなった。


カキーン!!!!!